8月5日、日本大学アメリカンフットボール部の寮内で薬物が見つかった事件で、警視庁は21歳の部員の北畠成文(きたばたけのりやす)を覚醒剤と大麻所持の疑いで逮捕しました。
北畠容疑者の経歴を中心におってみました。
日大アメフト部再度の無期限活動停止
9月1日日本大学はアメリカンフットボール部を再度の無期限活動停止にすると発表しました。8月31日付で同部学生寮も閉鎖しています。
2023.9.1
本学アメリカンフットボール部学生寮の閉鎖と再度の無期限活動停止について
本学は、アメリカンフットボール部に対して下した無期限活動停止処分を8月10日付で解除しております。解除にあたっては、同部部員全員の潔白をその条件とし、このため全部員に対するヒアリング調査及び部員、保護者の方々との対面並びにオンラインでのミーティングを行った結果、今回の事件は個人の犯罪であると判断しました。このことにより、すべてをアメリカンフットボールにかけ日々精進している部員の権利を守ることができると考え、無期限活動停止を解除した次第です。
しかしながら、その後、アメリカンフットボール部学生寮で2度目の家宅捜索が行われ、複数の部員が任意で取調べを受けるという事態になっております。このことは、もはや個人の犯罪にとどまるところではなく、大学としての管理監督責任がより厳しく問われている状況です。
本学はこのような事態を招いたことを深く反省し、徹底的に調査することといたしましたので、8月31日付で同部学生寮を閉鎖し、9月1日より同部を再度、無期限活動停止といたしました。
本学としましては、警察の捜査に全面的に協力し、その推移を見守ると共に、十分な薬物対策を講じ、実効ある管理監督体制の構築を検討してまいります。
本学の学生、生徒、保護者や卒業生の方々をはじめ、関係者の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますことをお詫びすると共に、薬物と無縁であるにもかかわらず、活動を停止しなければならない部員と保護者の皆様に対し活躍の場を提供できないことをお詫び申し上げます。日大ホームページ
令和5年9月1日
日 本 大 学
2度目の家宅捜索を受けて「もはや個人の犯罪にとどまるところではなく、大学としての管理監督責任がより厳しく問われている状況です。」としています。
日大アメフト部再捜索【追記】
8月22日午前、警視庁は大麻取締法違反の疑いで、中野区にある日大アメフト部の寮に家宅捜索に入りました。寮で覚醒剤の入った錠剤と乾燥大麻を所持した疑いですでに逮捕されている部員の北畠成文容疑者(21)の供述内容から 追加の捜査が必要になったため、警視庁は改めて寮を捜索する判断をしたということです。
日大側が会見で主張していた「個人犯罪」ではなく、まん延していた可能性が強まってきたことで、SNS上では日大を糾弾する声が続出しているようです。
アメフト部だけではない?
日本大学でアメリカンフットボール部とは別の運動部に所属していた男性がNHKの取材に応じています。
男性によりますと、数年前からアメフト部とは別の運動部の寮の部屋に部員が集まって、大麻などを使用する様子を目にしていたといいます。以下のように証言しています。
先輩から『お前も薬やらない?楽になるよ』と直接誘われたことで違法薬物だとわかった。タバコ状のものを吸ったり、粉状にしたものをあぶったりする様子を見た
NHKニュース
そのほかにも以下のようなおどろくべき話がでてきています。
- 繁華街で違法薬物を仕入れてくる運動部の部員がいたこと
- ほかの運動部の部員が薬物の売買や交換に訪れる際には、見張り役をさせられたこともあったこと
- 大学関係者に相談したこともあるが『気のせいだ』と言われ、取り合ってもらえなかったこと
北畠成文(のりやす)容疑者の経歴
北畠成文(きたばたけのりやす)容疑者は、7月6日、東京・中野区の日大アメフト部の寮でベッド備え付けの収納ボックスに覚醒剤の錠剤と乾燥大麻を所持した疑いがもたれています。その量は、覚醒剤0・198グラムと乾燥大麻0・019グラムで大量ではないものの、使用に関しては昨年からではないかとの見方がされています。
現在わかっている北畠のりやす容疑者のプロフィールは以下です。
- 名前:北畠成文
- ふりがな:きたばたけのりやす
- 生年月日:2002年6月10日
- 年齢:21歳
- 住所:東京都中野区南台5-11-5
- 出身地:兵庫県
- 出身校:滝川中学・高校
- 身長:180cm
- 体重:80kg
- 職業:日本大学3年
- 部活:アメリカンフットボール部
- 容疑:覚醒剤取締法・大麻取締法違反
日大アメフト部ではディフェンスとして登録されており、活躍が期待されていた選手でした。
日大アメフト部をめぐっては、過去の悪質タックル問題を受け、5年間休止されていた関西学院大学との交流戦が4月に行われているのですが、北畠容疑者はこの試合でスタメンに起用されるほどの有力選手として注目されていたのです。
同じ日大のアメフト部の部員からも「能力はすごく高かった」「チームの中でも身体能力はトップクラスでした」という話が出てきていますので、力のある選手ということがわかります。
日大アメフト部の寮はどこ?
北畠容疑者は日大アメフト部の学生寮で生活していました。そこが今回の逮捕現場ともなっています。ウエイトルームなども整った選手ファーストの寮です。
日大アメフト部OBの話です。
(寮は)時間になったら点呼が入ったりしますし、それこそ各部屋に寮長がいるので、見周りとか、そういうの徹底していましたし。
めざまし8
あとはやはり練習がハードだったので、そんなこととか、そんなものをするような感覚もなければ、時間もないので。そんなことやる時間があるなら練習しろって話なんですけど。
北畠容疑者と寮で共同生活をしていた元部員は、「人懐っこい性格でチームのムードメーカー、主力として試合にも出ていただけに寂しい」と語ったといいます。(ゴゴスマ)
現役部員からも「真面目にフットボールをやっているイメージがありました。明るく接しやすいというのはありました。能力はすごく高かったです。チームの中でも身体能力はトップクラスでした」と選手として優秀であったことが語れられています。
出身中学・高校は中高一貫校の滝川高校
北畠容疑者は神戸出身で滝川高校出身であることがわかっています。
滝川高等学校(兵庫県神戸市須磨区宝田町2-1-1)は、中高一貫の私立校です。本校のホームページの部活紹介ページには確かにアメリカンフットボール部があります。
北畠容疑者もたぶん高校からアメフトを始めたのでしょう。関西の強豪校は、大阪産業大学付属高校、箕面自由学園が2強と言われますので、滝川高校の強さはわかりませんが、高校時代の活躍を思わせる情報が以下のX(旧Twitter)で投稿されていました。
この雑誌で「北畠成文」 を含む検索結果
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高校の頃から雑誌に取り上げられるほどの力があったことがわかります。
高校時代を知る人物は、「部活動を通じて面識があったが、礼儀正しく接してくれて。愛嬌(あいきょう)がある子だなっていうのが印象的。みんなから『ノリ』っていうあだ名で親しまれていて、結構、部活に熱心に取り組んでいて。(下級生ながら)チームを引っ張るというか、そういう存在だったのかな。技術とかフィジカル面も抜けていたとは思う」と語っています。(テレ朝ニュース)
また、幼少期を知る人物からは「小学校から私立に通い、頭のいい子というイメージ」との話。
北畠成文容疑者逮捕までの経過とその後
これまで報じられた内容と記者会見で新たに出てきた内容を合わせて北畠成文(きたばたけなるよし)容疑者の逮捕に至るまでの経過とその後をまとめました。
「寮の屋上で大麻を使っているのではないか」などとする情報が警視庁に寄せられます。
警視庁は日大に情報を伝え、薬物乱用防止教室を開くなどしました。
保護者から、部長をはじめ指導陣に対し、寮内で大麻を使用していないかどうか調査するよう依頼。⇒翌日~11/6部員約120人に聞き取り調査をしたが、大麻使用の事実は確認できなかった。(会見より)
部員の1人が「大麻と思われるものを7月ごろに吸った」などと自己申告。警察関係者に相談したところ「物的証拠がなく、吸ったとされるものが大麻かどうか確認できない」との回答のため、大学の対応は、指導陣が部員を厳重注意。(会見より)
この警察関係者は日本大学OBの警察官へ個人的に相談したことで、「立証困難という話はしていない」と言われていることがわかりました。
警視庁から「アメフト部の寮で大麻を使用している可能性がある」と連絡が入る。その日に大学幹部らが寮を調べたが、薬物は見つかりませんでした。(会見より)
使用を疑う情報提供は続き、警視庁からの指摘で、日大は7月6日、ようやく自主点検を実施。寮の部員のベッドに備え付けられた箱から植物片と錠剤2片を見つかりました。
また大学側にも、7月初旬保護者と名乗る人から「関東学生アメフト連盟」「日大アメフト部」へ郵送で手紙が届いていました。
この告発文には「大麻を吸った学生が複数いる」と書かれていたことがわかりました(ANNニュース)
「調査の一環で大学がアメフト部の寮を徹底的に家探ししたところ、本当に大麻の現物が出てきてしまった。慌てた大学は警察にも相談したと聞いています」(文春オンライン)
警視庁への連絡がこの時点になったことが疑問視されていましたが、大学側は試験中ということもあり生徒へのヒアリングに時間がかかっていたと説明。
一方で尿への薬物検出が出ないように時間を置いたのでは?という見方もされています。
アメフト部の状況は、やがて部員の保護者たちにも知られることとなり、事態を鎮静化させるため保護者会を開き、報告。日大OBで元検事の澤田康広副学長はこう説明するのがやっとだったといいます。
「学内で自浄機能が働いた調査結果が導かれるように協力していくことが第一」
覚醒剤の成分を含む錠剤や乾燥大麻が発見されました。
逮捕後の取り調べで「大麻は自分で購入した。覚せい剤の錠剤はその時の”おまけ”でもらった」と供述しているようです。薬物の売人が大麻の購入客に覚せい剤を試させる狙いがあるとみられています。
さらに「アメフト部のほかの部員も大麻について知っていた」と供述。
2023.8.5
本学アメリカンフットボール部員の逮捕について
本学アメリカンフットボール部員1名が、8月5日に覚醒剤取締法違反及び大麻取締法違反の疑いで警視庁に逮捕されました。本学はこの事態を厳粛に受け止め、深くお詫び申し上げます。
本学は引き続き、警察の捜査に全面的に協力し、大学をあげて原因究明と再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。薬物使用の有害性・危険性・反社会性は明らかであり、厳正に対処する所存です。
なお、アメリカンフットボール部については本日より無期限活動停止処分といたします。日本大学ホームページ
令和5年8月5日
日 本 大 学
日大アメフト部の薬物問題を巡り、林真理子理事長らが8日、会見を開きました。会見では大学側が植物片を発見してから警視庁に通報するまでに空白の12日間があったことについて、経緯が説明されました。
また、当初の林理事長の発言が言葉足らずであったことのお詫びがあった一方違法薬物事件の“隠蔽疑惑”については強く否定されています。
逮捕された部員北畠成文容疑者1名のみを無期限活動停止処分とするとしました。連帯責任はふさわしくないとの判断のようです。
一方「関東学生アメフト連盟」からは公式戦への出場については「当面の間の出場資格の停止」が言い渡されました。”逮捕された部員以外の部の関係者に違法薬物を使用した者が存在している疑いが払拭できないこと”などの理由が挙げられています。
北畠容疑者の供述内容などから追加の捜査が必要になったため、警視庁は改めて寮を捜索する判断をし再度の家宅捜索を行っています。北畠容疑者とは別に大麻所持などの疑いがある部員4人を任意聴取。4人からもスマホを押収しており解析を進めています。
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